ゼロカロリー飲料なら安全にダイエット出来るのか!

ゼロカロリー飲料はカロリー0とは限らない

 

「ゼロカロリー」と書いてあるので、「カロリーは0」だと思ってしまいがちです。しかし、実際はカロリー0とは限りません。健康増進法第31条に基づき飲料にはカロリー表示がありますが、表示する際の強調表示の基準に秘密があります。

含まない(無・ゼロ・ノンなど)の表示基準は、100mlあたり、熱量だと5kcal未満、脂質だと0.5g未満、糖質だと0.5g未満と決まっているのです。つまり、0kcalでなくとも、100mlあたり5kcal未満の飲料ならば、ゼロカロリードリンクとして販売できるというわけです。

 

砂糖が沢山入っているわけでもないのに甘いのは何故?

 

ゼロカロリー飲料はカロリーや糖質が少ないのになぜ甘く感じられるのでしょう。それは、エネルギーにほとんどならない『合成甘味料』を使っているからです。合成の人工甘味料は、食品添加物に分類されます。また、砂糖不使用と書かれている場合、果物の甘み成分の果糖が含まれていることもあります。

 

ゼロカロリー飲料が太るって本当?

 

ゼロカロリー飲料を飲むと太るという話も聞きます。ここでは、太る理由を大きく三つに分けてみていきましょう。

 

心理的な問題

 

カロリーゼロや糖質ゼロと書いてあると、たくさん飲んでも太らないと思ってしまいます。そのため、無意識のうちに食べ過ぎたり飲みすぎたりてしまう傾向があります。ゼロカロリー飲料はカロリー0とは限らないと説明しましたが、例えばゼロカロリー飲料500mlのペットボトルを1本飲むと25kcal未満のカロリーを摂取する可能性がありあります。気づかないうちにカロリーをとりすぎて、太ってしまうわけです。

 

人工甘味料による作用

 

砂糖などを摂って血糖値が上がると、肥満ホルモンと呼ばれることもあるインスリンが分泌されます。人工甘味料も種類によっては血糖値に影響を与えると共にインスリンが分泌されることが分かっています。インスリンが分泌されるゼロカロリー飲料をごくごく飲むとインスリンが大量に出て、余分なカロリーを体脂肪として蓄積するため、太ってしまうのです。

また、人工甘味料は甘味が強いため、慣れてくると甘味に対する味覚が鈍っていき、更に強い甘い味を好むようになってしまいます。甘みセンサーは胃や腸、すい臓にもあり、特に胃にある甘みセンサーが甘みを感知してグレリンというホルモンを分泌すると食欲を増やし、成長ホルモンの分泌を促進させ、脂肪を増やし、体重を増加させてしまいます。

 

依存性

美味しい物を飲んだり食べたりすると、ドーパミンなどが分泌されて満足感を得ます。もっと欲しいと思いどんどん飲食すると、習慣化から依存、そして中毒になってドーパミンの分泌をコントロールできなくなってしまいます。砂糖や人工甘味料の甘さも依存性があることが分かっていて、特に人工甘味料にはコカイン以上の強い依存性があるともいわれます。ゼロカロリーだからと気軽に飲み続けると甘み依存症になってしまい、どんどん摂取してしまうために太ってしまうのです。

 

ゼロカロリー飲料に含まれる人工甘味料の種類と特徴

 

日本で使われている人工甘味料には、アスパルテームアセスルファムカリウムスクラロースサッカリンネオテームの5種類があります。ここでは、ゼロカロリー飲料に良く使われる3種類について詳しく見ていきましょう。

 

アスパルテーム

砂糖の100~200倍の甘さがあり、砂糖に近く柔らかい甘味です。摂取されたアスパルテームの大部分は体外に排泄され、調味料として普通に使う量では問題は起こらないとされています。腸内で分解されて毒性のあるメタノールが発生しますが、トマトなどに含まれている量よりも少ないため、問題はないとされています。

 

アセスルファムカリウム

砂糖の200倍の甘さがあり、医薬品添加物に指定されています。砂糖と比べると後を引かないすっきりとした甘さですが、沢山摂取すると後味がわずかに苦くなります。虫歯の原因物質にならないのも特徴です。特に清涼飲料水やアルコール飲料に使用される人工甘味料です。

 

スクラロース

砂糖の約600倍の甘さがあり、砂糖に似たまろやかな甘味です。カロリーはゼロで、24時間後にほぼ100%が排泄され、血糖値やインスリン値に影響がないといわれます。虫歯の原因にならず、清涼飲料水等に使用されます。

 

糖質オフ飲料なら虫歯や糖尿病にはなりにくいの?

「糖質オフ」も、「ゼロカロリー」と同じく、糖質が入っていないということではありません。強調表示の基準では、低い(オフなど)と表示するためには、100mlあたりの熱量は20kcal未満、脂質だと1.5g、糖質だと2.5g未満になります。

 

虫歯

 

人工甘味料アセスルファムカリウムスクラロースだけを使用している場合は虫歯菌などの口内細菌に利用されないため、虫歯の原因にはなりません。しかし、糖質オフの500mlのペットボトルを一本飲むと12.5g未満の糖質を摂取する可能性があります。飲料の原材料によって異なりますが、砂糖が沢山入っている一般の飲料よりは虫歯になりにくいかもしれませんが、水などに比べると虫歯になりやすいといえるでしょう。

 

糖尿病

 

研究者が行なった調査で、1週間に500mlのカロリーゼロのダイエット・ソーダを飲んだ人たちは、同じ量のカロリーがあるソーダを飲んだ人たちより、糖尿病のリスクが15%も高くなったという結果があります。また、人工甘味料でも血糖値やインスリンに影響を及ぼす可能性があり、2型糖尿病へと進行する危険性があると指摘されています。人工甘味料を使った糖質ゼロの飲料は糖尿病になりにくいとはいえません。

 

ゼロカロリー飲料はダイエットに向いている?

 

毎日カロリーの高いジュースを飲んでいた人は、ゼロカロリー飲料におきかえると摂取カロリーが抑えられるので、ダイエットになります。

ダイエット中に甘いモノが食べられない代わりにコカコーラゼロやペプシネクストといったゼロカロリーコーラを飲むことで甘いモノをガマンしなくて良いという考えに空腹感を防ぐ目的も加え、水代わりのように1日に1.5リットルや2リットルといった大量のゼロコーラを飲む方も少なくありません。

 

他にもダイエット中にビールを飲むのをガマン出来ない方が糖質ゼロ表示のノンアルコールビールを飲むことでお酒の飲みすぎを防ぎ、満腹効果を得る方法もあります。

 

しかし、もともと甘いジュースを飲まない人がゼロカロリー飲料を飲むと、今までより摂取カロリーが増えてしまいます。また、大量摂取してしまうとホルモンバランスが崩れたり、味覚が鈍ったり、依存してしまってむしろ太る可能性が高まります。ダイエット中にカロリーを控えるための常用はやめたほうが良いでしょう。

 

水だけじゃガマンできなかったり、満腹感だけを得たいのであれば、合成甘味料や合成着色料が何も含まれていない普通の炭酸水を飲むことをおすすめします。

 

終わりに

 

ここまでゼロカロリー飲料について読んでもらいましたが、いかがでしたか?

身体に良いイメージがあったゼロカロリー飲料の思いもよらない内容だったと思います。ゼロカロリー飲料では、安全にダイエットできません。依存症にならないように、ゼロカロリー飲料を飲む場合は慎重になってくださいね。